秋刀魚のゲームプレイ記

プレイしたゲームに対して色々語るブログ

Lobotomy Corporation

恐怖に直面し、未来を創るシミュレーション、Lobotomy Corporationの紹介・感想記事です。

ジャンル:シミュレーション 対応機種:PC(Steam)

Steamページ:Lobotomy Corporation | Monster Management Simulation on Steam

f:id:enokidai:20180603133801p:plain

感想

Steamから発売されている本作、「謎多き魅力的な世界観」、「多種多様なアブノーマリティ」、「個性豊かな登場人物」など、こちらの好奇心をとても刺激してくる本当に素晴らしいゲームでした。

概要

皆さんは「SCP Foundation」という存在をご存知でしょうか?

簡単に言えば「様々な超常的存在」を人々の目に触れないように隔離する架空組織「財団(The Foundation)」を描く怪奇創作コミュニティのことです。

このゲームでは「アブノーマリティ」と呼称されるそのSCPのような存在からエネルギーを生産する会社「Lobotomy Corporation」を管理、運営していくシミュレーションゲームとなっています。

管理の行い方は非常に簡単で、

  1. 作業をするアブノーマリティを選択する。
  2. 作業の内容(本能、洞察、愛着、抑圧の4種)を選択する。
  3. 作業を行うエージェント(管理人に代わり作業を実行する存在)を選択する。

という3つの選択を行うことだけです。

その後エージェントがアブノーマリティの収容室に向かい、アブノーマリティに決まった回数だけ指定された作業を実行します。

そして、作業が失敗するとダメージが、成功するとエネルギーが生産されます。このエネルギーを一日のノルマ分(画像では左上のゲージ)まで集めるのが目標となっています。(残業も可)

f:id:enokidai:20180603143620p:plain

しかし、初見のアブノーマリティは外見以外の情報が一切ありません、そのため己の勘や経験に基づいて好みの作業を判断していく必要があるのです。

ですが、いつまでもそんな綱渡りを続けていては安定した施設管理にはたどり着けません。ではどうするのか?ここでも先ほど言ったエネルギーが関わってきます。

プレイヤーは、そのアブノーマリティに作業を行って生産したエネルギーを使うことで好みの作業や管理方法、脱走情報といった様々な管理における有用な情報を開放することが出来るのです。(ノルマ分のエネルギーが減少することはありません!)

 

f:id:enokidai:20180603151642p:plain

つまり、

①未知のアブノーマリティになんとか作業を行いエネルギーを生産する。

②生産したエネルギーで管理情報を開放する。

③判明した管理情報に基づいてより安定したエネルギー生産を行う。

④②に戻る。

というサイクルを回していくことでアブノーマリティの作業を確立していくことになります。

こう聞くと難しく感じるかもしれませんが、ゲーム内にはチュートリアルやマニュアル(説明書)が存在するため、システム面で詰まる心配は無いと思います。

また、リトライ、チェックポイントリセット、初日リセットといったやり直し手段も豊富となっており、リセットの場合は解放したアブノーマリティの情報は保持されるため、周回プレイではより安定した施設運営を行うことができます。

アブノーマリティ

このゲームの影の主役ともいえるアブノーマリティですが、その種類は多種多様です。

可愛らしいもの、よく分からないもの、見るからに危険そうなもの・・・

f:id:enokidai:20180603153148p:plain
f:id:enokidai:20180603152932p:plain
f:id:enokidai:20180603153245p:plain

彼らはそれぞれ管理において様々な注意事項が存在します。特定作業に反応して職員を即死させてきたり、作業結果に応じて脱走したり、職員を洗脳してきたり、あるいは職員に何らかの恩恵をもたらしてくれたり。

こういった情報はアブノーマリティ情報の「管理情報」に書かれているため、プレイヤーは時にはリトライを駆使しながら彼らの情報を開放していく必要があるわけです。

また、情報を開放していくと「アブノーマリティ記録」にて、そのアブノーマリティのバックグラウンドを閲覧することが出来ます。これが純粋に読み物として面白いものになっているため、プレイヤーの情報開放のモチベーションにもつながっています。

また、「ツール型アブノーマリティ」という"どのように管理するか"ではなく、"どのように使用するか"に主眼が置かれたアブノーマリティも存在します。これらも"うまく"使用すれば施設運営に非常に役立つことでしょう。

難易度

ここまでの内容で大体予想できている人も多いと思いますが、このゲームは初見殺し満載の死にゲーとなっています。そのため、難易度は非常に高いです。

再挑戦やリセットを駆使し、より安定した施設運営を目指していくゲーム設計の都合上、初見では大惨事が起こることも多いです。

しかし、情報を集め、職員配置を見直し、管理を徹底することで無事1日を終えられたとき、非常に強い達成感を覚えることができます。

また、このゲーム、想像できないかもしれませんが「ボス戦」が存在します。画像はネタバレのため貼れませんが、いずれも一癖あるものとなっており、より緊迫感のある施設運営を楽しむことが出来ます。

ストーリー

このゲームでは施設を運営する「管理パート」と「ストーリーパート」からなっており、ストーリーパートでは管理人の補佐を担当するAI「アンジェラ」や、施設の各部門の責任者である「セフィラ」と呼ばれるAIとの交流が主軸となっています。

f:id:enokidai:20180603160451p:plain
f:id:enokidai:20180603160736p:plain

この会社は何故設立されたのか?アブノーマリティとは一体何なのか?何処かしらに歪みを抱えているセフィラとは一体?会社に勤めていくにつれ、それらの疑問の答えが驚きと共にに明らかになることでしょう。

BGM

このゲームでは通常の管理パートBGMに加え、アブノーマリティの脱走状況や職員の死亡状況に応じて「非常事態」が宣言され、BGMが変化します。これがまた「非常事態!」感を強く感じされるものとなっており、プレイヤーの危機感にがっちり刺激し、なんとかしなければ!という気持ちにさせてくれます。

「第二次非常事態」時の曲はノリノリの激しい曲調もあり、このゲームでも屈指の人気曲となっています。

ちなみに非常事態は全部で第三段階までありますが「第三次非常事態」時のBGMは実質リトライ用BGMとなってます(流れるころには施設が壊滅している)。

また、先程述べた「ボス戦」でもそれぞれ個別のBGMが採用されており、それぞれのボスの雰囲気にあったBGMが採用されているためプレイの没入感を深めてくれます。

注意点

今まで語ってきましたが、このゲーム、可愛らしいタッチのイラストに反して職員の死に様等の一部描写は結構惨いものになっています。

そのため、グロテスクな描写に全く耐性が無い人にはすこし厳しいかもしれないため、興味がある人は公式が公開しているPVを見てみることをおススメします。

まとめ

難易度は高いですが、それに見合うだけの達成感を得られる作品です。

SCPなどに興味がある人にはぜひプレイしてほしい作品となっています。