「どうか、あなたの本が見つかりますように」
たった一つの本を求めるダイスバトルストラテジーRPG、Libray Of Ruinaの紹介記事です。
ジャンル:ストラテジーRPG 対応機種:PC(Steam/Switch/PS4)
Steamページ:Steam:Library Of Ruina
紹介
はじめに
本記事の記述はSteam版、Ver1.0.3.10に基づきます。
今後のアップデートによって記事内容と齟齬が生じる場合があります。
概要
以前このブログでも紹介した「Lobotomy Corporation」の続編として発売された本作ですが、施設運営シミュレーションであった前作とはゲームシステムからして大きく異なる作品となっています。
ゲームの流れとしては
- 手持ちの"本"から特定のものをベットしてゲストを招待する。
- 招待したゲストを相手に接待(戦闘)をする。
- 勝てば相手を新しい"本"へと変え、負ければベットした"本"が奪われる。
- 獲得した新たな"本"をベットに新しいゲストを招待する。
というものになっています。
接待
本作の肝である接待(戦闘)ですが、TRPG風の様々な達成値を表すダイスと、行動を表すカードを用いるかなり特徴的なものとなっています。
こちらも流れを示すと
- ターンの初めに速度ダイスのロールを行い、そのターンの各キャラクターの行動速度を決定する。
- 各味方に対して、事前に構築したデッキから、行動に用いるカードと、その攻撃対象を選択する。
- カードの処理、ダイスを振って達成値を決め、攻撃や防御、回避を行う。
- ターンの終了、次ターンへ。
となります。
大まかな部分はシンプルですが、ここに速度ダイスによって攻撃をかばうシステムや、攻撃の属性、色々なバフ・デバフ、行動のコスト、そして感情レベルといった様々な要素が絡み合うことで、高い戦略性が生まれています。
最初こそ難しく感じることもあるかもしれませんが、徐々に要素が増えていく形をとっているため、実際にプレイしていく中で自然と戦闘をこなせるようになると思います。
ダイスによるランダム要素も踏まえて行動を決定し、戦局を自分の有利となるように進めていくのは中々に頭を使いますが、想定通りに進むとかなり達成感があり、楽しいですね。
本
ゲームの流れでも説明しましたが、戦闘において相手を倒すと彼らは"本"となります。
"本"は新しいゲストを呼ぶためだけのものではなく、これを消費することでこちらの戦力となる"ぺージ"を生産することができます。
"ぺージ"には味方の装備品となる"コアページ"と、接待で行動に用いる"バトルページ"の二種が存在し、獲得する"ページ"は本の元となった人物が使用していたものに基本的には準拠しています。これらを入手し、更新していくことで、プレイヤーは自分たちが使用するデッキを強化していくことになります。
デッキは自由にカスタマイズできるため、慣れてくればコアページのパッシブスキルやダメージ耐性、接待するゲストなどを踏まえて最適なものを準備できるようになります。
さらに、アップデートでコアページのパッシブスキルを他のコアページに「継承」することができるようになりました。
スキルのスロットやコストなどの制約はありますが、これまで以上に幅広い戦略をとることができます。
さてこの"本"ですが、"感情レベル"という戦闘における感情の盛り上がりを示すパラメーターに応じてその質や量が増加します。
感情レベルは基本的にそのキャラクターが戦場に長くいればいるほど上昇するため、より良い"本"を求めるならば、相手になるべく戦場に残ってもらう必要があり、それは戦場でより活躍することに繋がります。まさに"接待"。
感情レベルが上昇すると、速度ダイスの数や光の最大値が増加するといった恩恵があるため、場合によっては居座った相手が大暴れし、こちら陣営の壊滅に繋がることも。
ドロップを犠牲にしてでも速攻で倒してしまうか、相手の猛攻に耐えながら粘り強く戦い良いドロップを狙うか、状況に応じた判断が求められます。
ストーリー
本作では戦闘を行う「接待パート」と「ストーリーパート」から構成されおり、ストーリーパートでは、招待されない限り立ち入ることのできないはずの図書館に何故か迷い込んだフィクサー「ローラン」と、図書館の主「アンジェラ」の交流が軸となっています。
ストーリーは前作である「Lobotmy Corporation」の完全な続きとなっていますが、主人公が新規キャラであるローランであり、彼の視点で物語が進む為、前作を知らなくても本作単体で楽しめると思います。(前作のネタバレが含まれるため、それを嫌うならば前作からのプレイを推奨しますが)
今作は、前作だと大枠だけ語られ、詳細は語られることのなかったディストピア社会、"都市"が物語の中心となっています。
図書館を含めた様々な都市の組織の思惑が交錯することでストーリーは進んでいきます。
それぞれが「時間操作」や「空間転移」などの"特異点"と呼ばれる超技術を保有する26個の巨大企業、"翼"。
その恩恵から外れた人々が住まう"裏路地"と、そこを支配する5つの組織、"指"。
様々な依頼に基づいて仕事を行う"フィクサー"と、彼らが属する大小様々な"事務所"。
最近出現するようになった人間が突然変貌して誕生する怪物、"ねじれ"。
他にも多くの組織や個人が彼らの意思に基づいて図書館の本を狙ってきます。
その全てを図書館の成長の糧とし、「"たった一つの完璧な本"を手に入れる」というアンジェラの望みの行く末を見届けましょう。
ちなみに前作のセフィラたちも指定司書として再登場しますよ!彼女らも今回はプレイアブルキャラなので戦闘に参加させられるのがとてもうれしいですね。
前作の影の主役であったアブノーマリティも、今回は戦闘をサポートする幻想体ページとして再登場。
メリットだけ与えてくれる"覚醒ページ"と、強力なメリットと引き換えにデメリットも合わせ持つ"崩壊ページ"の二種があり、状況を見極めてカードを選択する必要があります。
幻想体ページは使用する階層により異なるため、各階層に合わせたデッキ構築も楽しいかもしれません。
幻想体ページを獲得するためには幻想体バトルという特殊な戦闘を行う必要があるのですが、これは普段の接待とは違い、よりギミック性の高い戦闘となっています。
Lobotomy社時代の管理方法を彷彿とさせるギミックが多く、前作をプレイしているとニヤニヤできることも多いです。(前作の苦労を思い出して苦い顔をすることもありますが)
さらに、幻想体バトルを攻略していき、階層の完成度を最大まで高めると・・・。
ゲスト
"本"を求めて図書館にやってくることになるゲストですがその事情は様々です。
富のため、情報のため、依頼のため、復讐のため・・・
招待時のストーリーで彼らが掘り下げられるため、みなが魅力的で、そんな彼らに愛着を感じることも多いです。
まぁ図書館はそんな彼らを容赦なく死亡させ、本にしているわけですが。
彼らの本から入手できるコアぺージの「ストーリー」欄では裏話や、都市や裏路地での暮らし、様々な設定などが彼らの目線で語られているため、世界観により一層の深みを持たせています。
音楽
接待に選択する各階層によって戦闘BGMが違うだけでなく、戦局が有利になるとアップテンポなアレンジ版に変化したりするため、プレイ感を深めるのに一役かっています。
幻想体バトルでは前作での非常事態時BGMのアレンジが流れるファンサービスもうれしいですね。
また、特定のボス敵では専用のBGMが流れたりも・・・
さらに、今作ではなんとOPとしてMiliの「String Theocracy」が採用されています。
世界観にドンピシャな名曲なので是非聞いてみて欲しいです。(fullもいいぞ)
注意点
「Lobotomy Corporation」の続編というあたりから察せられる人もいるかもしれませんが、今作も結構グロかったりエグイ描写は多いです。
というか前作より絵柄がシャープになった都合上、描写のエグさは前作より増してるので苦手な人は注意です。
まとめ
前作とはシステムは別物ですが、拘られたゲームシステムは非常に奥深く、バグや不備なども頻繁なアップデートによりすぐ改善されるため、非常におススメの作品です。
一風変わったカードバトルが楽しみたい人、楽曲に興味を持った人、世界観に惹かれた人は間違いなく楽しめるのでぜひプレイしてみてください。